超音波部門 責任者/主査 増田光一

超音波検査とは?

人体に対して無害な超音波を体表面より目的臓器に向けて入射すると、密度や音速(音響インピーダンス)の異なった臓器の境界で超音波が反射します。この反射を利用した画像検査を超音波検査といいます。基本画像は白黒のモノトーンで表示し組織間の音響インピーダンスの差が大きい部分は明るく、差が小さい部分は暗く映像に映し出されます。


超音波検査画像

超音波検査を行っている様子

超音波検査装置

この検査で調べられる臓器は多岐に渡ります。妊娠時の胎児の様子、心臓、腹部臓器(肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓、膀胱)、表在臓器(甲状腺、乳房)など、ほぼ全身に用いられており腫瘤性病変の発見や血行動態の観察などに役立てられております。

組織の組成によってそれぞれ基本的なパターンがありますが、腫瘤、ポリープ、炎症、結石などは正常な組織と組成が異なるため、異常な像として認識できますので発見し易くなります。

その他にも病変の大きさや臓器の形態変化そして造影剤を用いなくても血流情報を知ることができます。さらにリアルタイムで映し出される特徴を活かし病変部を観察しながら組織を採取するために用いたり、治療にも役立てられております。

実際どのように検査をしているのですか?

検査方法は、診察台に仰向けで寝た状態で検査部位にゼリーを塗り、そこへ探触子(超音波を送受信する小さな装置)を当て、必要に応じて体の向きを変えて画像を撮ります。

検査時間は、検査目的部位によって異なりますが、およそ15〜20分程度です。

痛みはありませんか?

痛みはありません。探触子を体にあてるだけです。しかし、胃や腸の中のガスによって見難くなるときに探触子を強く押し当てて空気を退かして検査をする事もありますので、このときに少し痛みを感じる人もいます。

この検査は安全ですか?

この検査はX線検査のように放射線被ばくの心配がないので安全な検査と言われています。経過観察のために繰り返し検査を行うことがありますが、超音波は人体に無害ですので心配はいりません。そのため小児や胎児の画像検査に超音波検査がよく用いられております。

超音波検査で指摘できる病変の一例

赤い矢印もしくは破線で囲んであるところに病変が存在しております。検査中は病変部をリアルタイムに観察しながら存在部位や性状の確認を行っております。下に示した病変は、超音波検査で指摘できる病変の一例になります。

最近の超音波検査の動き

超音波装置も年々性能が向上しており血管領域をはじめ多くの部位や検査で最新の技術が活かされております。例えば、超音波専用の造影剤の開発によって肝臓病変の詳細な血行動態がリアルタイムで評価できるようになりました。それにより早期診断やがん治療後の効果判定に用いられるようになりました。さらにCTやMRI画像と連動させ病変部を正確に定める技術も開発され、超音波だけでは分かり難い病変についてもより精度の高い治療が行えるようになりました。産科領域では、立体的な表示に動きの情報が加えられるようになり、顔の表情や体の動きまで観察できるようになりました。その他にも様々な技術が超音波の装置に搭載されており超音波検査から得られる情報量も格段に向上しております。


胎児の表情や動きがリアル
タイムで観察できます

内頚動脈の血流も明瞭に
表示することができます

造影剤を用いることで見難い
病変の性状も明らかになります

血管の内腔の状態も立体的に
表示することができます(右下画面)
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